事業活動

当社の事業活動、ものづくりの姿勢および将来に向けて

事業活動

継手溶接と対応して肉盛溶接という溶接方法があります。この肉盛溶接は表面改質のために、機器の使用条件および求められる耐食・耐摩耗特性に応じて、母材表面あるいは損傷を受けた母材表面に、適切な溶接材料を選択して溶接を行うことです。

当社は創業以来約17年間にわたってこの様な表面改質に特化した事業を展開してきました。この間に経験した当社の事業活動について以下に説明します。また、今後もこの様な表面改質技術をより多くの業界に対して展開したいと考えています。

当社の事業は現時点では電力(事業用および自家発)、セメント、製鉄、建設機械等の業界に関係します。いずれの業界においても摩耗・腐食低減のために、重要な機器は毎年定期的にメンテナンスされます。この様な分野のメンテナンス費用は、一部では新規取得時の7%程度必要であるとも言われています。

表1はこれらの業界において定期的に肉盛溶接によりメンテナンスされる代表的機器例を示します。なお、表中には現時点では肉盛溶接が採用されていないが、将来採用されると考えられるものも含めています。また、表中のメンテナンス方法の内、いくつかの事例を写真1~写真5に示します。

ボイラパネルの工場施工状況 写真1 ボイラパネルの工場施工状況
写真2 スートブロワ回りのボイラパネル肉盛溶接 スートブロワ回りのボイラパネル肉盛溶接
TRI-S工法による払出しスクリューの肉盛溶接 写真3 TRI-S工法による払出しスクリューの肉盛溶接
写真4 狭隘ミル中でローラ2個を同時に再生中 狭隘ミル中でローラ2個を同時に再生中
装置二台による大型ジャイレトリクラッシャの再生状況 写真5 装置二台による大型ジャイレトリクラッシャの再生状況

 


ものづくりの姿勢

当社は以下のような姿勢でものづくりに励んでいます。

現状の自動肉盛溶接技術に加え、関連する要素技術(検査、計測、研削など)を自動化し、機器の再生の完全自動化にチャレンジしています(Smart Welding®と呼称)。また、いくつかのWPS(溶接施工要領)を提案し、そのPQR(施工法確認試験記録)より最適な溶接施工法を決定するためには、日頃から新しい要素技術の取得、技術開発に取組む姿勢が大切です。さらに、WPS・PQRと絡んで、肉盛溶接部の品質保証に対する製造者責任としての強い姿勢が必要です。その姿勢はものづくりの哲学で、顧客満足度の追求に繋がります。
*スマートウェルディング®(英文:Smart Welding)は平成22年1月に商標登録証を取得しました。
提案する方法が費用対効果において有利であることを使用者に説明するためには、技術情報を公開することが必要であるとともに、実機の稼働を通じて得られる データベース(原単位、寿命など)を蓄積し、公表する姿勢がきわめて大切です。当社は共用期間中検査を通じて、自社施工の肉盛金属の特性把握を顧客の理解 を得ながら実施してきており、かなりのデータベースを蓄積しています。
表面状態を観察することにより、真の損傷原因を見出すという姿勢を身につけます。とくに設備据付現場での突発的なメンテナンスにおいては、損傷状況に基づいて論理的に判断する必要があります。そのためには、常日頃から施工技術者の力量を高める努力が欠かせません。JISZ3410(ISO14731)/WES8103の溶接管理技術者資格取得は励みになるもので、当社ではWES資格取得を全員に義務付けています。
人材の確保無しには、企業および産業の発展はあり得ません。我が国が一流の“ものづくり立国“であるためには、より良い労働環境の創出と人材の育成を含め、魅力ある産業イメージを産学官で造り出すことが大切です。

 


将来に向けて

溶接技術は金属を扱う製造業には欠かせない要素技術で、肉盛溶接も大切な表面改質という要素技術です。しかし、日本では高度経済成長下のScrap and buildという考え方も影響して、肉盛溶接は我国では長年補修技術としての位置付けが強いように思います。一方、欧米では肉盛溶接はメンテナンス技術(保全技術)として継手溶接と同じ位置付けで扱われています。

この様な背景および前項で述べたものづくりの姿勢より、当社は将来に向けて以下のような認識で事業に取組みます。

今後もニーズに基づく開発が欠かせない。開発無くして企業および肉盛業界の発展は無い。開発は完璧を期したものづくりを支える。
肉盛溶接は工場あるいは設備設置現場でなされ、とくに設備設置現場では短納期と危険が付きまとう。溶接前後の作業を含めて、自動化技術、検査・計測技術、監視技術等の要素技術に対する一層の取組みが今後も欠かせない。
資質の高い若者をこの業界に呼込む努力を、教育界だけに依存するのではなくて、産学官で展開する必要がある。また、企業規模に関係なく、人を育てる社内体制が今まで以上に求められる。人づくりもまた開発である。
メンテナンスにおいては、過去の運転履歴・施工履歴、技術情報等をオープンにする姿勢が求められる。
肉盛溶接技術は補修溶接技術だけではなく、新商品開発技術にも発展させるものである。そのためには、個人の技術開発能力の向上が重要で、より高い目標を設定して指導すべきである。この目標の下に、日常の技術的課題を解決する。このような習慣付けを徹底することによって、より高い資格(例えば技術士)も見えてくる。溶接技術者管理資格取得後の励みにもなる。

 


WAグループ事業活動

ウェルディングアロイズは1966年に英国において設立され、約46年間にわたって耐摩耗・耐食溶接材料業界のリーダとなる為にフラックスコアードワイヤの開発・生産とその適用技術の開発に力を注いできました。そして現在ウェルディングアロイズグループ(世界中でそれぞれ独立して事業活動を展開する30以上の企業から成るグループ会社で150以上の国と地域をカバーしている)は全体で約1200名が世界中でプロ集団として活躍し、溶接上の課題に取組み、顧客満足度を得ております。

ウェルディングアロイズグループは上記の如く、フラックスコアードワイヤを生産し、材質的には炭素鋼、低合金鋼~高合金鋼 (ステンレス鋼含む)、ニッケル基合金、コバルト基合金に至り、寸法としては0.9~5mmの範囲に及びます。

さらに、半自動溶接用ワイヤ供給装置を含め、顧客の要望に応じた全自動溶接システムを生産し、また全自動溶接システムはすべてロボット仕様であり、現地施工を念頭においたポータブルシステムも取り揃えております。

このような溶接ワイヤおよび全自動溶接システムを使用した溶接施工により摩耗した機器の再生を行っております。ウェルディングアロイズグループではこのような溶接施工をインテグラサービス(Integra Service) と呼称しており、世界中でこのインテグラサービスによる事業展開を推進しております。