機械部品や設備は、使用環境によって摩耗腐食が避けられません。しかし、適切な対策をとることで寿命を延ばし、メンテナンスのコストを抑えることが可能です。摩耗や腐食の種類、用途によって対処法は異なりますが、以下の方法が考えられます。

1. 肉盛溶接(補修溶接)

摩耗や腐食した部分に耐摩耗性・耐食性の高い溶接材を肉盛し、元の形状や機能を回復させる方法です。

肉盛溶接の特徴:

  1. 膜厚を確保できる(mm単位の肉盛が可能)ため、大きく摩耗した部品に適用しやすい
  2. 基材と冶金的に結合し、高荷重・衝撃がかかる環境でも剥がれにくい
  3. 部分的な摩耗補修が可能で、大型部品の寿命を延ばすのに適している

特に、高クロム系・ニッケル系・コバルト系の溶接材を使用することで、耐摩耗性・耐食性を向上させることができます。

2. 表面処理(コーティング)

摩耗や腐食を防ぐために、部品の表面に特殊な処理を施す方法もあります。代表的なものには以下のような方法があります。

  1. 耐摩耗コーティング(HVOF、プラズマ溶射など)
  2. 耐食コーティング(溶融亜鉛めっき、フッ素樹脂コーティングなど)
  3. 窒化処理・浸炭処理(主に耐摩耗性向上)

表面処理の特徴:

  1. μm単位の薄膜処理が可能で、寸法精度が求められる小型部品に適している
  2. 基材の機械的特性を維持したまま、表面の耐摩耗性・耐食性を向上できる
  3. 薄膜のため、高荷重や強い衝撃がかかる部分では剥離のリスクがある

3. 材質変更(高耐摩耗・高耐食合金への置換)

摩耗や腐食が激しい場合、より耐摩耗性・耐食性の高い材料へ変更することで、部品の寿命を延ばすことができます。例えば、以下のような材質が使われます。

  1. 高クロム鋳鉄(耐摩耗鋳造)
  2. Ni基・Co基耐熱耐食合金(化学プラントや高温環境向け)
  3. ステンレス鋼(SUS304, SUS316 など)
  4. セラミック複合材料(超硬合金, WCコーティング)

当社では、用途に応じた材質変更を含めた鋳造品の手配も可能です。

4. 部品の設計変更(摩耗・腐食を抑える工夫)

摩耗や腐食を抑えるために、部品の形状や構造を見直すことも重要です。例えば、以下のような設計変更が考えられます。

  1. 摩耗しやすい部分に予め硬化肉盛溶接を施した構造にする
  2. 摩耗・腐食しやすい部分を交換可能なライナー構造にする
  3. 流体が当たる部分の形状を最適化し、摩耗・腐食を軽減する
  4. 摩擦が少ない材質の組み合わせにする(例:金属対金属を避ける)

新規設計時に耐摩耗・耐食肉盛を組み込むことで、部品の長寿命化を図ることも可能です。

5. 運用条件の見直し

  1. 負荷や速度の調整:摩耗が早まる原因となる過度な荷重や速度を見直す
  2. 異物の混入防止:摩耗や腐食の原因となる異物(砂、金属片、腐食性物質など)の侵入を防ぐ
  3. 環境対策:温度や湿度、化学薬品の影響を考慮し、適切な材料・コーティングを選定

最適な対処方法をご提案します!

当社では、肉盛溶接による補修・再生や、新規製作時の耐摩耗・耐食肉盛、材質変更を含めた鋳造品の手配、耐摩耗ライナーや交換部品・プロテクターの製作を行っています。
運用条件に応じた最適な対策をご提案可能ですので、お気軽にご相談ください。