耐摩耗・耐食”肉盛溶接”により機能を再生する事業を行っています

溶接技術は金属を扱う製造業には欠かせない要素技術で、肉盛溶接も大切な表面改質という要素技術です。しかし、日本における肉盛溶接技術は、過去の高度経済成長下のScrap and buildという考え方も影響し、長年補修技術としての位置付けになっているように思います。一方、欧米諸国においては、“肉盛溶接技術は保全技術”として継手溶接と同じ位置付けで扱われているのです。

私たちは、その肉盛溶接技術が各種プラントや機器の稼働率向上に貢献する重要な要素技術であると考えています。したがって、私たちはその肉盛溶接による表面改質方法を採用し、機器の使用条件および求められる耐食・耐摩耗特性に応じて適切な溶接材料を選択し、肉盛溶接による母材の表面あるいは損傷を受けた母材表面のメンテナンスをする事業を行っています。

「現地施工」と「工場施工」 の施工方法の違い
私たちは主に、耐摩耗・耐食に優れた溶接材料を選定し肉盛溶接施工サービスをご提供いたします。施工には、機器のメンテナンス計画・期間に制約がある場合に、柔軟に対応できる「現地施工」と肉盛再生施工専用装置を有した当社工場にて再生施工を行う「工場施工」の2つのタイプからご選択いただけます。

■現地施工

当社溶接技術者が肉盛溶接施工の為の自動溶接装置及び補助装置一式を、お客様の工場またはご指定場所での機器検査後に持ち込まさせていただき、安全教育を受講後に肉盛再生施工を実施いたします。

施工期間中はご担当者様とのコミュニケーションを絶やさず、進捗報告・安全対策並びにISO9001に基づく品質保証にも工夫をこらし、技術者の教育にも日々周知徹底に努めています。

施工後には、簡易報告を行わせていただくとともに、施工後1週間を目途に提案を含めた施工完了報告書を提出いたします。

お客様のメンテナンス計画・期間に応じて24時間施工体制にも対応しております。機器メンテナンス計画・期間の短縮を最優先される場合に現地施工をお勧めいたします。

■工場施工

「本社工場」は、肉盛再生施工を行うための再生専用工場として稼働させ、ISO9001認証の仕組みを引き続き活かしつつ、安全かつ効率的な作業ができるように日々の改善を重ねています。

同工場においては、複数の装置にて同時に肉盛施工できるよう、粉砕装置専用の回転装置やボイラーパネル再生用の専用装置、スクリューコンベヤー再生用の専用装置等を設置しています。また、環境保全のため、溶接ヒューム回収機を設置してガウジング作業においても外部への放出をさせない防塵対策も行っています。
 
時間的に余裕のある場合、計画的な再生施工を進める場合は工場施工をお薦めいたします。なお、お客様のご要望に応じてプライベートショーを実施することも可能です。

肉盛再生施工事例

当社は創業以来『表面改質』に特化した事業を展開してきました。この間に経験した当社の事業活動の事例を示します。また、今後、この様な表面改質技術をより多くの業界に展開していきたいと考えています。

事業用・自家用発電業界の適用事例

エネルギーインフラが直面する課題解決に貢献火力発電設備において高効率化、稼働率の向上および長寿命化が求められており、当社は母材表面に適切な溶接材料を選択して表面を…

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セメント業界の適用事例

セメント生産設備の減肉対策に貢献セメント生産は原料工程、焼成工程、仕上げ工程からなり、いずれの工程においても粉砕、輸送により摩耗が生じています。これらの中でもっと…

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鉄鋼業界の適用事例

製鉄設備の減肉対策に貢献製鉄所における製銑・製鋼・圧延・仕上げ工程のいづれにおいても摩耗・腐食による問題があり、製銑工程での高炉関連設備のメンテナンスに関しては休…

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製紙業界の適用事例

製紙設備の損傷対策に貢献黒液回収ボイラは製紙工程で使用された苛性ソーダ(NaOH)の廃液である黒液(Na2SO4)を燃焼させて苛性ソーダの原料となる緑液(スメルト…

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鉱業業界の適用事例

鉱業・砕石業界における設備延命に貢献鉱業および砕石業界では破砕機が使用されており、破砕対象は砂岩、珪石、石灰石、タンカル、生石灰、タルク等様々です。当社では粉砕機…

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バイオマス発電業界の適用事例

バイオマス発電設備の減肉対策に貢献再生可能エネルギーの1つとして位置づけられるバイオマス発電は木質チップ、木質ペレット、パーム椰子殻(PKS)などのバイオマス燃料…

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安全・確実な施工技術開発で高品質の溶接部を実現する技術開発を行っています

当社が展開している耐摩耗・耐食のための肉盛溶接において、自動肉盛溶接技術に加え、関連する要素技術(検査・計測・研削など)を自動化し、装置から当該部品を分解・移動することなく施工を行うことにより、肉盛溶接の品質の最適化、工期短縮、安全性向上を図り、お客様の機器の長寿命化および高稼働率化による保守コストの低減の実現を指向し、日々その技術開発を行っています。

「スマートウェルディング®」のビジョン

溶接業界は現在でも職人の技能に頼る部分が大きく、特に現場での完全な無人化は困難と言われています。そのため、このような事業は代表的な3K(汚い、危険、きつい)業種であり、製品の品質にばらつきが起きやすいことや、作業者の肉体的・精神的負担が大きいといった課題が挙げられます。
施工品質を向上するためには、溶接の自動化による安定化はもちろん、準備項目である素材の分析や溶接材料の選定から施工前後の表面処理や検査・計測など、改善すべき要素は多岐に渡ります。これら全ての要素に対して幅広く、新たな装置やシステムを導入して改善し続けることで製品品質の向上や、作業の安全性を高めることができると考えています。
そのため、当社が提唱する「スマートウェルディング®」とは、溶接施工全体のすべてを最適化することを示しています。

「スマートウェルディング®」による各種要素技術

当社では以下に示すような様々な要素技術を研究・開発だけでなく、新しい技術・装置も柔軟に採用することで新たな溶接施工方法を提案しています。以下に具体的な要素技術や各種サービスを示します。
溶接に関連するすべての工程を「スマートウェルディング®」で最適化し、常にその時に実現可能な方法で高品質で安全な施工を追及しています。